envieの店長、松宮のブログです。縮毛矯正やデジタルパーマが得意な美容師として、薬剤のことや美容の難しい理論をできるだけ簡単に書いてます。プライベートやくだらないことも書いてます。。。


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弱酸性パーマの薬剤について2(スピエラ補足編) 高円寺|美容室envie

前回書いた弱酸性パーマの薬剤についての補足ブログです。

なんかスピエラはイマイチでGMTが良い感じていう印象を受けるみたいで。。。
適材適所なんですよね。薬剤て。

現在のアンビーはミドルダメージ域ではデジタルパーマ施術にはGMTを使う事が多いのですが
むしろハイダメージ毛には弱酸性域のチオグリセリンやシスアミやシスの方がダメージが軽減しながら
カールが作れたりするんです。毛質にもよりますし。

そこで今日はスピエラについて少し詳しく。

<スピエラとの出会い>
スピエラを僕が初めて知ったのは2006年の昭和電工株式会社の記事でした。
当時は酸性域でのカールなんてインチキ扱いされてもおかしく無かった時代でしたが一部のマニアックなメーカーさんなどが商品を発売していましたので、僕も本当なら画期的な薬剤だなと取り寄せて色々実験をしていました。

<そもそもスピエラって何?>

スピエラの正式名称はこれ↓ いまでも覚えられないw
ブチロラクトンチオール / Butyrolactonethiol
2-メルカプト-4-ブタノリド / 2-mercapto-4-butanolide<化学名> <化学名>

チオやシスが髪を膨潤させて浸透させるのですがスピエラは分子量が小さく分子構造が平面状のため髪を膨潤させなくてもキューティクルの隙間から浸透出来るメリットを持ちます。
これによって髪が膨潤によって被るダメージを受けずにカールやストレートを形成出来る。

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髪を膨潤させないって超凄い事なんですよ

髪が膨潤しないメリットはカラーの色落ちも少ないし、ダメージも少ない。
ダメージの目安になるタンパク質の溶出率
水 0.4
スピエラ2.5%濃度(ph6.2) 0.6 シス7%濃度(ph9) 1.6 チオ7%濃度(ph9) 3.1

一般的なチオの1/5、傷みにくいと言われるシスの半分以下の数値、これスゴイ事。
水と比べて1.5倍程度って、シャンプーするのと変わらんじゃんと感動した記憶がある。


傷まなくても思いどおりのデザインに出来なかったら意味ながないのです。
そこで重要になるのがカール形成率(パーマのかかりやすさ、癖のが伸びる目安)

スピエラ2.5%濃度(ph5.6) 67% シス7%濃度(ph9) 62% チオ7%濃度(ph9) 86%

傷まないけどかからないからダメージ毛用って言われるシスよりもちょっと強い程度。
そのままでは使い物にならない位弱い薬剤でした。

10年前ばーーっと流行ってあっと言う間に廃れたの原因がここにあると思う。


<スピエラの変遷>
髪に優しいけどかからないという印象になってしまったスピエラですが、同じような評価のシスに比べてダメージは半分以下でアルカリも使わないので時間経過ダメージも少ないというメリットを持っていました。でもパワー弱いからダメージ毛向けだよねって。

最初のブームが去って2〜3年後にダメージ毛ならスピエラ、スピエラはダメージ毛でも安心ですよね〜って感じでとりあえずスピエラしとけっていう売り文句の商品が出て来て、薬剤の弱さはクリープやら湿熱やらである程度カール型成率を上げるテクニックが確立された事もあり、ちょびっと息を吹き返す。
やっぱスピエライイヨね〜みたいな。

ここで大事件。
スピエラでビビリを作るサロンが出て来た。。。
アンビーにも弱酸性の薬剤でビビらされたんですけどっていう問い合わせが沢山来ました。。。

原因はハイダメージ毛にもばんばんスピエラ使った事。
タンパク質の溶出率っていうのはあくまで健康毛で測定するのでダメージ毛には当てはまらない。
それをスピエラのカール形成率補うのにクリープやら湿熱やらで促進するもんだからハイダメージ毛はビビってしまう。スピエラは万能ではないっていうこと。

アンビーではビビリの薬剤実験でスピエラの危険性を感じていたのでちょうどスピエラを使わなくなった頃の出来事。たしか5〜6年前くらい。


そのころ新たにあらわれたのがGMTという酸性の薬剤。
GMTのカール形成率はスピエラよりもさらに低かったので当時はぜんぜん見向きもされませんでした。


<スピエラの可能性>
スピエラそこそこ良いけど、コントロール難しいよね〜ってなっていたんですが、凄い人が現れました。なんと縮毛矯正で強い癖にもスピエラだけで伸ばしちゃうよっていう強者。

これ凄い事でカール形成率から言うとほぼ不可能な事なんです。
それまでもスピエラ矯正っていうのあったんですがだいたいチオとか他の薬剤でパワーを補う方式。

それで僕も講習に行ったのですがそこで目から鱗っていうか、スピエラのポテンシャルを見てすげえと思った記憶があります。

それまでスピエラのカール形成率を上げるにはクリープや湿熱を使っていたのですが
そこでは水分コントロールっていう新たな技法を使っていました。

アンビーも縮毛矯正の研究はやっていたので水分コントロールの重要性は感じていたんですが、自分とは違う方向からのアプローチでやってみたい実験のアイデアがガンガン溢れて来ました。

水分コントロールを応用すれば思いどおりのデザインが出来て、デジパーや縮毛矯正にも使えてしかもダメージ少ない。またスピエラ使いはじめました。


それから1年半かけてアンビー式の水分コントロールをつくることが出来まして、アンビーの縮毛矯正もさらなる進化をとげました。

水分コントロールが確立されたら弱くて見向きもされてなかったGMTも使えるようになってきました。ダメージ毛にはGMTのほうがコントロールしやすいですし。

今でも水分コントロールつかっても健康毛には思いどおりのデザインが出来ません。
これが現在のGMTの限界かなと。


今後スピエラを使い始める可能性はあると思います。
スピエラの弱点であるカール形成率はある程度水分コントロールでカバー出来るので
それ以外の改善点が3つ。
1 臭い 2 薬剤コントロール法(浸透) 3酸化不足解消法
これがクリアされたらスピエラすごいと思うんですよね。

僕も諦めずに実験したいと思います。

すべてはお客様の髪をキレイにする為に

高円寺の美容室envie
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by envie02 | 2016-11-20 17:46 | パーマ | Comments(0)